裏コード(代理ドミナント)とは!?裏コードでおしゃれなアレンジをしよう!

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裏コード(代理ドミナント)という用語を聞いたことはありますか?
Ⅴ7であるドミナントの代わりを果たしてくれる裏コードは、様々な楽曲で使用されており、ポピュラー・ジャズ問わず使用されています。

アレンジはもちろん楽曲制作にも役立ちますので、是非この機会におしゃれな裏コードを覚えていきましょう。
それでは裏コード(代理ドミナント)について、解説していきます。

目次

裏コードとは?

そもそも裏コードとは何か?というところから説明していきます。

裏コードとは、トライトーンを共有する他の調のⅤ7を表していて、別名「フラットファイブサブスティテューション」または「トライトーンサブスティテューション」とも呼ばれているコードです。

Ⅴ7の代理和音として、ダイアトニックコードのⅦm7(♭5)を使用すると覚えている方も多いのではないでしょうか?

しかし、これはあくまで同じ調の中から借用しただけに過ぎず、裏コードとは他の調から借用してくるため、考え方が大きく異なります。

裏コードはトニックコードの半音上の7thコードを表しており、コード上で説明するとDm7-G7-Cの場合、Cがトニックにあたるため半音上の7thコード、つまり「D♭7」がG7にとっての裏コードとなります。

トライトーンを把握しておこう

裏コードはトライトーンを共有していることがメインになっています。
G7の構成音はソ・シ・レ・ファ
D♭7の構成音はレ♭・ファ・ラ♭・シとなっています。

トライトーンとは増4度(減5度)の音程のことです。
3度から♭7度間がトライトーンにあたるので、
G7にとってのシ・ファ間とDbのファ・シ間がトライトーンとなり、共通のトライトーンを使用していることで「裏コード」としてG7の代わりにD♭7が使えるというわけです。

裏コードの見つけ方はこれ!

かといって、トニック上の半音上の7thコードや、ドミナントにとっての♭5の7thコード・・・など覚えにくいという方も多いと思います。

簡単に裏コードを見つける方法・・・あるんです!!

別記事でも紹介している「サークルオブフィフス(Perfect 4th cycle)」を使うことで、裏コードを簡単に見つけることができます。
サークルオブフィフスについて、まだ記事をご覧になっていない方はこちらも併せて見ていただけるとスムーズです。

サークルオブフィフス上で求めているコードの「対角線上」にあるコードが「裏コード」です。
どういうことかというと、サークルオブフィフス上で
・Cの対角線上のコードはG♭orF#
・E♭の対角線上のコードはA
・Gの対角線上のコードはD♭となっていますよね。

これが全て「裏側に存在するコード」ということで、「裏コード」を指しています。
サークルオブフィフスを用いて考えると、非常に覚えやすいコードですよね。

是非、サークルオブフィフス(Perfect 4th cycle)の図と併せて裏コード(代理ドミナント)を覚えていきましょう!

セカンダリードミナントも裏コード化できる!?

裏コードはセカンダリードミナントにも使用することができます。
以下のコードを見てください。

CM7 A7 Dm7 G7 CM7

上記のコード進行の中で、ドミナントにあたるのはG7ですよね。
これはハ長調(Key=C)にとってのドミナント7thはⅤ7にあたるからです。

しかし、DmにとってのA7もドミナントモーションが起きているのは事実です。
これをセカンダリードミナントと言います。

そして今回説明している「裏コード」は、こういったセカンダリードミナントにも使用することができるのです!

CM7 E♭7 Dm7 G7 CM7

という流れに変えてみました。
これはA7のセカンダリードミナントの裏コード「E♭7」を用いたということです。

こういったアレンジ方法もあるので、セカンダリードミナントにも積極的に使っていただければと思います。
(とはいえ、裏コードの多用はあまりおすすめしません)

あとは、余談ですが先ほどのコード進行をもう少し展開付けて

CM7 B♭m7  E♭7 Dm7 D♭7 CM7

といったアレンジも楽しいかもしれませんね。

これらは裏コード化したコードに対して、ツーファイブ(Ⅱm7-Ⅴ7)を用いるリハーモナイズ法があります。
こうしてリハーモナイズすることで、「B♭m7」というものが出てきたということです。

メロディとぶつかることもあるので、状況に応じてですが、こういった細分化も行ってみると良いでしょう。

裏コードの実践例

裏コードを使用する際の、アドリブ演奏等で何を弾いたらいいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで裏コード時のスケール実践例を出しておきます。

上記のフレーズをまず12キーで練習しておくことで、少し裏コードに慣れることができるでしょう。
他にも様々なフレーズが存在するので、是非楽曲の中などから見つけ出して練習・実践使用してください!

ナポリの6と裏コードは別物!

クラシックを弾いている方はご存知かもしれませんが、「ナポリの6(ナポリの六度)」という用語があります。

これはサブドミナント(SD)に準じている代理和音として用いられているため、今回の裏コード(ドミナント)とは別物です。
たまに裏コードとナポリの6は同じと捉えられている方がいますが、全くもって別物なので注意しましょう。

使うとなれば、ツーファイブワン(Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ)のⅡm7部分がSDにあたるので、そこにナポリの6を使用することができます。

例:Dm7-G7-CM7→DbonF-G7-CM7
例:Bm7-E7-Am7→Bb/D-E7-Am7

上記の変換後の最初のコード部分がナポリの6に当たります。
つまり、そもそも裏コードとは変換する場所が違うため、同じとは覚えず別物として考えるようにしましょう。

まとめ:裏コードを覚えておしゃれなコードアレンジをしよう!

楽曲をさらにおしゃれな響きに変えてくれる「裏コード」。
メロディラインやフレーズによって使用できないことも多々ありますが、是非とも裏コードを有効活用して更なる音楽ライフを満喫していただければと思います。

サークルオブフィフスをしっかりと覚えることと、リハーモナイズやアナライズの練習をすることで、裏コードを習得することができるでしょう。

最初は大変かもしれませんが、この機会に是非裏コードに興味を持って取り組んでいきましょう!

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